古典は英語と同じ勉強方法で学習するといいです。
ここで「英語と同じ」というのは「単語」「文法」「読解」の3つの分野をまんべんなく伸ばすことを指します。
イメージとして「古典は日本の昔の言葉であるから、英語のような外国語と勉強法は違うのではないか」という考え方もありますが、入試で問われる単語の意味と文法は、現代語とは異なります。
なので、古典を現代語と同じと捉えるのではなく、「外国語」を学習する気持ちで、イチから単語や文法を習得する感覚の方が伸ばしやすいと思います。
実際は単語も文法も英語の3分の1ほどの数で済むので、英語を外国語として習得した受験生なら、古典で覚えなくてはいけない量は楽に感じると思います。
では、英語にはない古文の難しさは何か。
それが「和歌」と「主語がなくなること」です。
和歌は、日本文化独特の形式で、和歌特有の文法事項もあります。
なので、和歌を正確に解釈できるようになるには、文法を抑えた上で実践あるのみです。
以上の2つを意識しながら、多くの問題にあたっていくしかありません。
また、「主語」に関しては、英語や漢文での省略は基本的にはないですが、古文は多々あります。文章の流れを追いながら、今誰が何をしているのかを自分で判別していく必要があります。ヒントになるのは単語・敬語・接続助詞です。それらをヒントに省略された主語を補いながら正確に人物関係をつかんでいく必要があります。
上記の2点は、論理というより日本語独特の情緒が問われるので、感覚的な要素も強いです。
なので、古文の成績の伸び方は二段階です。
よって、必要な知識を早く入れて、なるべく多くの文章に当たることで、情緒的な文章の解釈に慣れることが古文を伸ばすコツです。
漢文は古文と異なり主語が省略されることはあまりありません。また、覚えなければいけない単語・文法も、古文よりも少ないので、比較的取り組みやすく、短期間で伸ばしやすいです。
ただ、読解でつまずきやすいのは、具体例と教訓の関連性です。
古文は入試だと物語や日記などのジャンルからの出題が多いのですが、漢文は史実を基にした説話や歴史書などからの出典が多いです。よって、入試漢文は比較的「具体的なエピソード」と「そこからの教訓」がセットで出される文章が多いです。
そうなると、古文を読む時のように「誰が何をしているか」という物語の流れを汲もうとして漢文を読んでいくと、具体的なエピソードはわかっても、そのあとに出てくる教訓との関連性がつかみにくくなってしまいす。漢文を読む時には「何か具体例があっても、それを通して言いたい主張があるはずだ」と常に具体例と教訓の関連性に気を配りながら読解するようにすると、内容の把握がしやすくなると思います。