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塾に通うのが楽しくなった!

タイトルの「塾に通うのが楽しくなった!」というのは、彼女が卒業する際にもらった最高のプレゼントでした。

 

彼女を担当したのは中学3年生のころです。高校受験を1年後に控えてはいるものの、もともと勉強が嫌いな彼女は、塾にいやいや通っている状態でした。「勉強なんてやりたくない」「早く家に帰りたい」というのが彼女の口癖で、なんとか前向きに勉強に取り組んでもらえるよう、授業を構成することに苦労したことを覚えています。

 

それでもなんとか高校受験を乗り越え、希望の高校に進学することができた際、このまま塾に通い続けるのか、それとも塾をやめるのか、かなり悩んでいた様子でした。せっかく受験も終わって勉強から解放されて、「たくさん遊びたい!」というのが彼女の本心だったのではないかと思います。

 

しかし、高校に入ってから最初の中間試験で、「思ったより試験ができなかった」ことがきっかけとなり、そのまま塾に通い続けてくれました。

 

毎週、学校であったエピソードを聞きながら、必要な英語の文法事項に取り組んでいくうちに、彼女の方から授業を楽しんでくれるようになりました。授業が楽しくなると、勉強をすることも楽しくなり、勉強をすることが楽しめるようになると、1つ1つできるようになることが増えます。そうすることで、点数も徐々に伸びてきて、少しずつ成績があがっていき、クラスの順位も最終的には1位を取ることができました。このころには、中学のときには毎週癖になっていた遅刻や宿題忘れはなくなり、時間5分前に宿題をやってから来ることは習慣になっていました。

 

そして、高校3年生の春、いつの間にか苦手から得意になっていた「英語」を使った仕事に就きたいということと、「ウェディングプランナーになりたい」という夢を見つけ、そこからは推薦試験に向けて小論文対策と面接対策を行いました。なぜウェディングプランナーになりたいのか、なぜ英語が好きになったのか、なぜその大学を志望するのか、などを繰り返し口頭で確認しながら文章に表現することを続けました。

 

結果、見事第一志望の大学に推薦試験で合格することことができました。

 

彼女を見ていてつくづく、「楽しんでやれるようになる」ことが、「勉強ができるようになる」ことの一番の近道なのだと思います。

 

自分が楽しくない勉強は長続きはしないものなので、できない場合には必ずできるところに戻ること。

最初から多くのことを求めるのではなく、まずは1つ目標を決めて徐々にその目標を高くしていくこと。

自分ができるところから始めて、できることが増えていけば、おのずと自信が湧いて来ること。

自信を持つことができれば、何事も前向きに取り組めるようになること。

 

彼女と一緒に時間を過ごしていて、私のほうが多くを学んだ気がします。

大学は、ゴールではなく、社会にでるためのスタートラインなので、これからも彼女らしく自分の夢を掴んでもらいたいと思っています。