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自分一人で現代文の対策をするには

まぁどの教科に対しても言えることなのですが、現代文は特にどこから手をつけたらいいのかわからない・・・という声を耳にします。確かに数学や英語に比べると、何をどこから手をつけたらいいのか見えにくい教科だと思います。そんな方に現代文の自学自習のポイントをお伝えします。

 

◎前提:学校の試験対策と受験対策は違う

これ、結構混同している方がいるのですが「学校の試験で高得点が取れること」と「模擬試験など受験を意識した試験で高得点を取れること」というのは、意味合いが変わってきます

どの教科にもあてはまることですが、「学校の試験」はあらかじめ範囲が決まっています。また、出題内容も学校の先生が丁寧に教えて下さった内容からでます。それは校の授業で実施した内容の定着度を測る」のが学校の試験の目的だからです。だから、学校の試験対策の場合には、一度理解したらあとはとにかく暗記!暗記!暗記!そうやって一度理解した内容を、ある程度限られた範囲でしっかり定着させておくと、長い目で見て受験対策が楽になるからです。だから、学校の試験で点数を取るためには、たとえ現代文であっても暗記をさせる場合があります。点数さえ取れれば、その子の自信やモチベーションUPにつながるからです。

では模擬試験等受験に関する試験にはどのような特徴があるか。模擬試験の特徴は範囲がないことです。だから、模擬試験を受験した時点でのその子の学力をある程度測ることができます。とくに現代文は学校の試験のように一度授業で取り上げた題材ではなく、試験の時初めて見る文章を読むことになるので、その子が持つ純粋な読解力を測るのに適しています。

 

◎模擬試験や実際の入試問題で点数を取るための勉強のポイント

範囲がない模試や入試で現代文の点数を取りたい場合には、当然入試現代文に出題されるようなテーマの文章問題に普段から取り組んでおく必要があるのですが、どのような点に注意して自学自習を進めればいいのでしょうか?

ポイントは3つあります。

1、自分のレベルに適した教材を選ぶ

2、課題文を自分のことに置き換えて読解する

3、解答の根拠を明確にする

 

◎1、自分のレベルに適した教材を選ぶ

どの教科にもあてはまることですが、現在の自分のレベルよりも難しすぎる問題や簡単すぎる問題に取り組んでもあまり意味がありません。教材を選ぶときには自分のレベルに合った教材を選ぶことをお勧めします。

私は自分が学習する際も、人に教える際も、長く解説がついている厚い教材があまり好きではないので、解説がすっきりとした薄い教材を選びがちですが、この辺は個人差があると思います。自分が使いやすいと思う教材を試してみるのがいいと思います。

 

◎2、課題文を自分の言葉で置き換えて読解する

教材を選んだら、まずは時間制限を無視して、一つ一つの課題文に向き合ってみましょう。その際に段落ごとの要約をしていきます。要約というと、本文中の言葉をそのまま切り貼りして文章を作る人がいますがそうではなく自分で別の言葉に置き換えてまとめます。

授業では「小学生の子供でもわかるように要約してごらん」とよく言いますが、文章を読んでいない人にその文章の内容をわかりやすく説明するためにはどうしたらいいかを考えながら文章を読んでいきます。そうすると、しっかり理解をしていなかったり、知っている言葉の数が少ないとうまく言い換えることができないことがわかってきます。また、文章を読んだだけで意味がわかる文章と、いまいち意味がわからない文章が出てきます。意味がわからなかったり、上手くいいかえられない文章は

  • 言葉の意味がわかってないからわからないのか
  • その文で言われていることのテーマに対する知識がないからわからないのか
  • 前後の文脈が取れてないからわからないのか

を辞書やインターネットなどを使ってはっきりさせましょう。自分がその文章を理解しているかどうか判断する手っ取り早い方法は、具体例を出せるかどうかです。文章中で述べられている具体例以外に、自分で具体例をあげて説明することができれば、その文章を理解しているといえるでしょう。

 

◎3、解答の根拠を明確にする

課題文の要約が終わったら今度は問題を解いていきいます。もちろん、課題文を読みながら解いても構いません。重要なのは、課題文を書いている人(=筆者)と、問題を出している人(=出題者)は異なるということを念頭に置くことです。

私たちに見えるのはただの”文字”ですが、実際に文字を書いているのは”人”です。テキストの裏にいる”人”を思い浮かべながら文章を読むと、意外とその文章が言っていることが頭に入りやすくなったりします。課題文を読解するときには筆者を、問題文を解くときには出題者を思い浮かべ、2人が何を言いたいのかを文章から読み解くことを意識してみましょう。

問題を解くときに注意したいことは、根拠を明確にすることです。どうしてイではなくアが正解と思ったのかを明確にすること。それは本文の言葉に導かれたのかもしれませんし、問題に一番答えているように思えたからかもしれません。アが正解の場合は、イが不正解ということになりますが、イのどこが本文とそぐわないからイは不正解になるのでしょうか?そのような自問自答を全て自分の中で繰り返したり、メモをしたりしてから正解を選ぶといいと思います。そうすることで自分が何を理由に正解を選んだのかがわかり、解答解説の正解と根拠を見返してどうすれば正解にたどり着けるのかがより明確になります